四月某日(土) 晴れ ソウル→成田
帰りの飛行機は夕方5時近くの便だった。でも、昼過ぎにホテルのロビーにHISの人が迎えに来るというで、意外と時間がない。チェックアウトはお昼でいいので、荷物は部屋に置いたまま、Sくんがソウルに来たらいつも行くという本屋に向かう。
ソウルでは、国内の技術レベル向上のため、学生を支援する目的で洋書が安く売られている。目的が目的なので、外国人は購入できないことになっている。しかし、実際には、外国人が買い求めるケースも多い。私も、日本で買うとバカ高い洋書の学術書を購入しようと、この書店に行くのを楽しみにしていた。コンピュータ関連書籍のコーナーに行くと、有名な本はほとんど韓国語翻訳版が出ている。一般書籍でも、例えば、今流行の『脳内革命』も翻訳書が売られている。語学コーナーにはTOEICの参考書が沢山並んでいて、日本と事情は同じと見える。洋書コーナーで、C++の本を買った。
書店を出てホテルに戻る途中、隣のロッテデパートで土産を物色する。土曜日ということもあり、ロッテデパートはとても賑わっている。日本の大手デパートの様子とまったく同じ。まずは、レストランフロアに行ってカレーライスを食べる。韓国まで来てカレーライスというのも不本意だが、ほかに食べたい物もなく、時間もないので仕方がない。スパイスの調合具合が違うのか、日本で食べ慣れたカレーの味と微妙に違う。韓国人好みのカレーの味付けはこういう感じなんだぁ〜などと味わいながら食べる。
地下の食品街はまるでカルビとキムチの展覧会。両親へのお土産に辛し明太子、そして、自分には、誰かのホームページで紹介されていたゆず茶を購入。会社には味付け海苔を買う。
そろそろホテルに戻らなければならない時間が迫って来た時、優太がうんちをする。地下の女子トイレにはベビーベッドがなくて、二階のトイレまで駆け上がるはめに。妻と子どもを待つ間、階段の手すりにもたれて辺りを見回すと、周りにいる人達は老若男女みんな、階段がまるで雛段になったベンチであるかの如く、ずら〜っと座って休憩している。日本では見かけない光景だ。
ホテルに戻り、ロビーでHISの人と会う。来る時に一緒だった人達はもう帰ってしまったようで、バスはロッテホテルには寄らずに、細い路地にある古びたビジネスホテル風の建物に立ち寄る。若い女の子が数名乗り込んで来た。おそらく、ホテルのグレードをスタンダードかエコノミークラスで申し込むとこの辺のホテルになるのだろう。若者の旅行や、バックパッカー旅行に良さそう。
バスは、空港のすぐ近くにある、「キムチ専門店」に寄る。小さなビルの地下にある、これまた小さな店で、店の広さの割に、おばさん店員がたくさんいた。彼女達の流暢な日本語での売り込みに圧倒される。キムチ専門店を名乗っているのに、いささか種類が少ない。ロッテデパートの地下食品街の方が新鮮で美味しそうだった。王様のキムチと言われるポッサムキムチを売っているというので、ちょっと興味をひかれたが、いざ店に入ってみると想像とまったく違う代物であった。同じバスに乗って来た若い女の子達はキムチか何か買っていた。我々は何も買わずに店を出た。
「土産物屋」を出発すると、あっと言う間に空港に着く。現金は空港利用税分を残してうまく使い切ったので、交換する程残っていない。帰りの座席も予約通りにスクリーンの正面席になっていた。
免税品は出国ゲート通過後に受け取りカウンタで引き渡される。ただ、カウンターに行くのが早過ぎると、品物がまだ届いてなかったりする。今まで免税品を購入する経験がなかったので、免税店の入り口でチェックがあるとか、免税品によっては空港渡しになるとか、いろいろ勉強になった。
搭乗時刻までまだ時間があり、ラウンジでくつろぐ。このフロアには、ビデオルームや個室や授乳室などの施設もあって、子ども連れで利用するのに便利そう。
飛行機の座席は、行きの便より後方だった。客室乗務員に、「後ろの席に空きがあるから、肘かけも上がるし席を移動していいよ」と言われる。このフライトは、禁煙席でタバコを吸うマナーの悪い客が多い。離陸して禁煙ランプが消えた途端、どこかから我々の前の席に移動して来たおっさんがいきなりタバコを吸い始め、乗務員に注意される。そして、今度は後ろの方からタバコの臭いがしてきた。飛行機は、後方の座席が喫煙席になっていることが多いので、この飛行機もそうなのかと思った。ところが、これも、我々のすぐ後ろに座っていた禁煙席の客が吸っていることが分かった。客室乗務員がフライト中の裏話を書いたWEBページに、韓国人は所構わずタバコを吸って困る、と書いてあったのを思い出す。
帰りの便は気流の関係で、飛行時間が行きより一時間短い。19時過ぎ、無事、成田空港に着いた。バスの出発時刻まで余裕があったので、出発ロビーにあるレストラン街のうどん屋へ。閉店間際で他に客はいない。店のおばさんは子ども好きで、優太を面白がって相手にしていた。世の中、赤ちゃん好きな人って多いんだなぁと改めて思う。
バス乗り場に着くと、我々の前に中国旅行帰りのおばさんが二人並んでいた。我々が韓国に行って来たと言うと、「子供(孫)を見せに(韓国の親の所へ)行って来たの?」と質問される。その質問の声の調子に、「あんたたち韓国人なの?」という、詮索と偏見のいやらしい響きを感じてしまい、とてもいやな気分になる。まだ年配の人には、韓国というと特別な感情を抱かせる国なんだと、複雑な思いが残った。
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